技術探索を実施する背景:
- 洋上風力発電所を建設する際には地盤調査を行う必要があるが、海洋での地盤調査は、一般にボーリング調査及びCPT(Cone Penetration Test)が知られている。海洋地盤調査は、船上から地盤を掘削及び貫入する「船上設置型」、大規模な調査機材を海底に設置して行う「海底着座型」で行われるが、特に前者についての課題を解決する技術を募集したい。
求める技術の具体内容:
(1)製品、技術に求めるスペック
- 既存の方式の1つである「船上設置型」によるボーリング調査及びCPTの課題を解決する技術。必ずしも既存方式の改善策に限定せず、新しい技術による調査方法の応募も可とする。
【想定する実施内容】
- 水深は15m~60m、地盤調査の深さは最大100m
- 大型船が侵入できない水深15m以下の水域での地盤調査
- 実施場所は太平洋上
- 着底式洋上風力発電所を想定した地盤調査
【現状認識している課題】
- CPTは硬い地盤への適用が困難
- 船、機材ともに大規模でありコストが高い
- 船上に設置した機器から直接採掘及び貫入を行うため、船のゆれに弱い
- 一般的に波の高さは有義波高5m以下、有義波周期は7秒以下である必要
- 結果として工期が延び、高コストとなる懸念
- 水深15m以下では大型の船には入ることができず、船上設置型での調査ができない
- 一方で、小型の船では海象条件の影響を受けやすい
(2)その他
- 開発中、研究中の将来技術に関する応募も可とする。
- アイデアのみでは対象ではないが、大学等で研究中の技術で実証前の段階であれば可とする。
解決策があると想定される技術領域:
- 洋上風力開発、油田開発、資源探査、海での橋梁工事(海洋土木)など
効果・結果に関する要件:
- 船上からのボーリング調査及びCPTを利用した地盤調査であること
- 可能であれば、有義波高5m以上、有義波周期は7秒以上の環境でも地盤調査ができること
- 水深15m~60m及び水深15m以下でも地盤調査ができること
- 地盤調査の深さは最大100m